築100年超えの高山市丹生川の古民家です。
純和風の設えの立派な普請の建物ですが、開口部は障子一枚隔てて外という部屋です、飛騨の冬・・・想像するだに凍えてしまいそうです。
今回はこの内側に断熱材を仕込んだ新たな間仕切り壁をつくり一部屋拵えます。リフォームの腕が問われる物件、わくわくします。
今回のリフォームでは既存の天井のみ解体が必要でしたので、ご覧のようにばらしてゆきます。竿天井と呼ばれるお馴染みの和室の天井のスタイルです、
それを外してゆくとおよそ100年前の工人達の手のあとがあらわれます
あーしてこーして悩んで建て上げた棟梁との時間を超えた会話がはじまります
現代に比べて電気や重機も無い時代に工夫や知恵や甲斐性でとてつもないものを築いてきた先人達には学ぶ事多し。
古民家や古建築をさわらせて頂く機会があるのはとてもありがたいことです。
最近の床の施工には仕上げ材の前に捨て貼りの合板をあてます。理由としては
床のたわみが軽減すること、床鳴きが抑えられること、接着剤の効率が良いことがあります。 が・・・
敢えて捨て貼りはしません。理由は・・・
合板で固めたその上に仕上げ材を貼ると、確かにしっかりした床にはなりますが
硬すぎます。
歩いた時、コンクリートの上を靴を履かずに歩く時のような踵からの突き上げを感じます。一方捨て貼り合板の無い場合は、たわみも感じれば床鳴きもおこります。
でもやわらかくなんか気持ちいい。
メリット、デメリットは必ずつきまといます、施主様には理解して頂いての選択です。
一本引き開口部の枠。
それが?どうしたの・・・と言われそうですが結構大変。
新築ならば寸法どおりに納めてゆけますが、リフォームの場合、既存の建物にあわせていかなければなりません。
嫁さんが姑さんと仲良く家の中をまわしてゆく苦労に似ているとでも言いましょうか。以前は水平で垂直だった建物が経年の礎石(今で言う独立基礎)の不同沈下で
歪んでしまっています。(はじめから間違ってることもある)
そこに水平、垂直を違和感無く、さりげなく納めるにはやはり私は姑さんと仲良くして
細部を精査し、完成型をイメージして出来たあとは一歩下がって、
「お義母さんのおかげですぅ。」
なんかちょっと違う話になりましたね。
営業地域
高山市 丹生川町 飛騨全域