近年無い出会ったことのない強敵。
移築後50年の古民家、柱が下がっているとのことで床をめくると・・・。
飛騨の古民家の石場建ては、石の上に地覆と呼ばれる土台をながし、柱を建てその上に足元土台が廻してあります。
この建物は栗の地覆と杉の足元土台、水に接していないのに足元土台腐ってます。白蟻による傷み方ではありません。
栗の地覆が湿気も手伝って荷重で潰れてます、50年前の移築なので石である筈の基礎は一斗缶にコンクリ。
栗がこれ程煮えこむ(飛騨弁で潰れこむみたいな意)のは過荷重と湿気の作用。
地盤がとにかく湿っており、軟弱なため下がった柱を上げようにもジャッキが土にめり込むばかりなので、
柱を受ける荷重を広い面で持たせるためこのような基礎を。
一番下がっていた柱の廻りに先と同じような基礎をと思い床掘りすると、なんと水が・・!
この建物の裏は山からの差し水が(この辺りでは山しぼりという)このあたりに、しかもこのレベルであったとは。
とにかく足元土台までが、湿気で腐るケースはほぼありえません。
困った時は強烈なスキルと知識と知恵の権化の森本兄貴が、強力な助っ人でたすけてくれます!
二人で考え抜いた末の最良の方法でひとつひとつこなしてゆきます。
これはかなりありえない状況です、足元から地覆の間で柱の根元足首骨折のような状態。原因は地覆の寸法違いか?
やばい部分は取り払って、なんとか健康体にすべくさまざまな知恵を絞っての結果。
基本的な湿気対策の為に、土間シートを敷いて砂を敷き詰めたらとの提案をしたのですが却下
床下換気扇のみで対応するということでした。
以前床板も杉の4分(12mm)板が載せてあっただけでブワブワの床でしたが、1寸(30mm)板で仕上げたので
しっかりとしたものになりました。出来上がった状態ではわからない肝心な部分をきちんとこなす
そのために考え抜いて最良を目指すのが、我々飛騨の大工の矜持。
「理解していただきたい。」
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