結露の末路

修繕依頼。

もうすこし近くに寄ってみましょう。

ありゃりゃ。

 

はぐってみましょう。

「なんじゃ!こりゃぁっ!」(松田優作)

 

築20年の某ハウスメーカーの建物。

 

その当時では一般的なペアガラスの掃き出しサッシですが、現在のものと違い枠が外部と内部一体型のアルミのため

必ず結露します。

 

室内の仕上げ材も、床は合板にウレタン塗装のカラーフロアー。壁はビニールクロス。

 

冬季ファンヒーターを焚けば、灯油を消費した分だけの水分が室内に撒かれます。

寝室であるため体内からの呼気も水分として室内に。

 

せめて仕上げ材が無垢の板であったり、左官壁であったりすれば調湿作用があるためここまでの結露はおきません。

 

写真でわかるようにサッシの土台となる捨て敷居は腐っており外部側の窯業サイディングも、もさもさ。

仕込んであった断熱材のグラスウールもこの季節なのに、濡れてました。

 

さて、修繕です。

 

 

外壁のサイディングを取り外せないため、内部から空気の流入をコーキングで塞ぎます。

分かりづらいですが、捨て敷居をあて透湿シートのタイベック。そして断熱材にはロックウール。

仕上げ材は厚み1寸2分(36mm)の無垢の栗材。

 

これでしばらくは体をなすとは思います、結露はあいかわらずおきますけど。

見出しの写真の浮いている、皆さんが木だと思っている化粧材。

 

薄いベニヤの上に木の柄をプリントしたビニール?みたいなものが貼り付けてあるものです。

 

莫大な宣伝費をかけるハウスメーカーが建てる家。

 

地域の気候風土を知り、そこで真面目に取り組む地場の大工が建てる家。

 

その違いは時間だったり、住まう人の健康だったりが証明するものだと思います。

 

以前仕事をさせていただいた、仏像を彫る仏師がこんなこことを仰ってました。

 

「我々の仕事は千人の盲人は騙せても、三人の目利きに殺される。」

 

たかだかの一人大工ではありますが、その言葉今でも肝に銘じております。