安曇野ちひろ美術館

名建築探訪、長野県は北安曇郡松川村へ。

家族のスケジュールが合う日が今日のみというわけで、小雨のそぼ降る中

ちひろ美術館へいってきました。

館内に入って目をひくのは、思わず見上げる天井。唐松の垂木の現し、見たことのない構造。

どうやって納めたのかなどと思いをめぐらし、すすんでゆきます。

外部との境は内部の連続性を損なわぬよう、ガラスで境界。

回廊は櫛引仕上げの左官壁。さり気ないぶら下げ一輪挿しがかわいらしいではないか。

カフェからも現し垂木が。

床板も唐松のためか、築20年というのに建物の中は唐松の香りが漂ってます。

おもてにはレトロな電車、黒柳徹子さんにちなんだトットちゃん広場。電車に入るとジョバンニとかカンパネルラとか

いつか読んだ賢治さんの世界へ。

いつものごとく建物ばかり気にしていましたが

ちひろさんの作品、十分堪能いたしました。

 

彼女の絵については僕なんかが語るまでもなく、皆さんよくご存知だと思いますが、今日ふと思い出したのは

とある絵描き(とんでもない巨匠?)が言ってた「この世に線というものは存在しない」みたいな言葉。

 

建築では線(見切り材)で区切ることは常套手段ですが、面と面や素材の境を敢えて見切り材を使わず

おさめることもあります。わりと面倒だったりしますが骨を折る分、きれいな空間に仕上がったりします。

 

「これでいいのだ」という仕事はバカボンのパパでない限りありえません。精一杯やったつもりでも

次の課題が芽を出し頭をもたげます。大工にすれば構造から意匠、住まいやすさなどなど。

 

自分の携わる仕事以外のものにヒントを得ることも多々あります、今日もそんな日でした。