築100年超え古民家リフォーム

築100年超えの高山市丹生川の古民家です。

純和風の設えの立派な普請の建物ですが、開口部は障子一枚隔てて外という部屋です、飛騨の冬・・・想像するだに凍えてしまいそうです。

今回はこの内側に断熱材を仕込んだ新たな間仕切り壁をつくり一部屋拵えます。リフォームの腕が問われる物件、わくわくします。

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解体

今回のリフォームでは既存の天井のみ解体が必要でしたので、ご覧のようにばらしてゆきます。竿天井と呼ばれるお馴染みの和室の天井のスタイルです、

それを外してゆくとおよそ100年前の工人達の手のあとがあらわれます

あーしてこーして悩んで建て上げた棟梁との時間を超えた会話がはじまります

現代に比べて電気や重機も無い時代に工夫や知恵や甲斐性でとてつもないものを築いてきた先人達には学ぶ事多し。

古民家や古建築をさわらせて頂く機会があるのはとてもありがたいことです。

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無垢の杉厚板

既製品ではない30mm杉無垢板を本実加工して施工

最近の床の施工には仕上げ材の前に捨て貼りの合板をあてます。理由としては

床のたわみが軽減すること、床鳴きが抑えられること、接着剤の効率が良いことがあります。   が・・・

敢えて捨て貼りはしません。理由は・・・

合板で固めたその上に仕上げ材を貼ると、確かにしっかりした床にはなりますが

硬すぎます。

歩いた時、コンクリートの上を靴を履かずに歩く時のような踵からの突き上げを感じます。一方捨て貼り合板の無い場合は、たわみも感じれば床鳴きもおこります。

でもやわらかくなんか気持ちいい。

メリット、デメリットは必ずつきまといます、施主様には理解して頂いての選択です。

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杉原木

建築材料

故郷の神岡の同級生から、「かみさんの在所の親父が杉を伐ったのだけど始末に困っているので、お前いらん?」

ということで引き取りに行きました。昨今原木は市場に出しても二束三文。

親父さんが若い頃から手入れしてきた大切な杉なのだけれど、製材所でも引き取れないとのこと。

我々大工も扱う材料は殆ど流通品の建材、既に製材して現場で即施工できるように加工してあるものばかり。

似たり寄ったりの中国産の柳杉、福杉。またそれが安価であったりするのでそちらへ

傾倒するのはごくあたりまえのこと。

「家を建てる時は四里四方の材を使え」と昔の人達は言ってます。

四里=16Km四方に自生する材とは即ちそこの気候風土に合った材ということ。

現代では夢のようですが、昔では当たり前の話。

どうであれ僕にとっては良い話、それは僕のお施主さんにとっても良い話。

さてこの杉どう活かそうか、五郎、親父さんありがとう!

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建具枠

一本引き

一本引き開口部の枠。

それが?どうしたの・・・と言われそうですが結構大変。

新築ならば寸法どおりに納めてゆけますが、リフォームの場合、既存の建物にあわせていかなければなりません。

嫁さんが姑さんと仲良く家の中をまわしてゆく苦労に似ているとでも言いましょうか。以前は水平で垂直だった建物が経年の礎石(今で言う独立基礎)の不同沈下で

歪んでしまっています。(はじめから間違ってることもある)

そこに水平、垂直を違和感無く、さりげなく納めるにはやはり私は姑さんと仲良くして

細部を精査し、完成型をイメージして出来たあとは一歩下がって、

「お義母さんのおかげですぅ。」

なんかちょっと違う話になりましたね。

 

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間仕切壁

断熱

今回のリフォームは古建築のなかに夏涼しく、冬暖かい一部屋を設ける

というミッション。

間仕切る壁地の外部側には透湿シートのタイベックを貼り

間柱の間に100mmのロックウールを仕込み

内部側に気密シートをあてます。

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天井裏の断熱

杉無垢板仕上げの天井の裏側

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